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小規模案件のPM経験の職務経歴書:金額・人数・協力会社の書き方
職務経歴書の「案件規模」の欄で、手が止まる。見本に出てくるのは億単位や何千人月の案件ばかりで、300万円や1,000万円の案件を「PM経験」と書いていいのか、迷うと思います。
自分も同じくらいの規模で、受託のPMをしています。300万円・3か月・社内2人の案件から、5,000万円・12か月・社内5名+協力会社5名の案件まで持ってきました。
先に答えを書くと、小さな案件でも書いていいと思います。見られているのは金額の大きさより、その中で自分が何をしたかだからです。
ただ、同じ案件でも、何をしたかが伝わる書き方と、伝わらない書き方があります。金額・人数・協力会社の3つを、どう書けばPMの仕事が見えるのか。
実は、自分は前の転職で、職務経歴書を書いて応募していません。個人開発をSNSで見ていた会社から声がかかり、オンラインの面談だけで決まったからです。自分が職務経歴書を見てきたのは、面接官として読む側からだけです。
小さい案件のPM経験は、職務経歴書で評価されるのか
自分は今の職場で、採用の面接官もしていました。応募してくるのは未経験や駆け出しのエンジニアが多く、ハローワークからの応募もありました。
職務経歴書は見ます。ただ、スタートアップだったこともあり、書類で選り好みはあまりしていませんでした。正直に言うと、経歴書を読んで「この人に会いたい」と思った人はいなかったです。
面接で見ていたのは、まずコミュニケーション、それから、言われたことだけをする人か、自分から動ける人かでした。
見ていた中に、案件の金額の大きさは入っていませんでした。
小さい案件だからと経歴書から削ってしまうほうが、もったいないと思います。
では、面接で「自分から動ける人か」を、どうやって見ようとしていたのか。
面接官をしたPMが見ていたこと:技術より先に、指示待ちかどうか
PM転職の面接で見られるのは何か。スタートアップで採用面接をした受託PMが、技術より先に見ていた「コミュニケーション」と「指示待ちかどうか」、面談と入社後の姿が違った例、そこから面接される側として話せることを書きます。
通った書類と落ちた書類は、何が違ったのか
ここは、期待に沿えないかもしれません。自分が見た応募の中に、協力会社をまとめるような経験の人はいませんでした。来るのはフロントエンドのエンジニアばかりで、小さな案件のPM同士を、金額や人数の書き方で比べたことはないです。
そのうえで覚えているのは、面談で職業訓練のチームリーダーとして周りを引っ張っていたと話していた人が、採用してみると指示待ちだったことです。
肩書きは伝わっていても、実際に何をする人なのかが、こちらの必要としていたことと合っていませんでした。書く側に回ったときに埋めたいのは、そこだと思います。
「PM」「リーダー」と書くだけでは、指示待ちのリーダーと見分けがつきません。
金額は総額だけでなく、どこまでが自分の担当かを添える
いちばん大きい5,000万円の案件で考えてみます。期間は12か月、フェーズが3つに切られていて、自分はPMとして要件定義からテストまでを持ちました。ただ、提案は別の人がやっていました。
「5,000万円の案件のPM」とだけ書くと、提案から受注まで自分が取ってきたようにも読めてしまいます。なので、総額の横に自分の担当範囲を書きます。
- 案件金額:5,000万円(期間12か月、3フェーズ)
- 担当範囲:PMとして要件定義〜テスト(提案は別の担当)
反対に、1,000万円の案件は8か月・社内2名で、設計と開発も自分でやりました。300万円の案件(3か月・社内2人)も、設計・開発まで自分です。
金額は小さくても、PMの範囲に設計と開発が加わっています。ここは、金額の欄だけだと消えてしまうところです。
金額・期間・担当範囲を1行に並べておく。それだけで、読み手が責任の範囲を取り違えにくくなると思います。
では、この規模の案件を回して年収600万円というのは、低いのか、妥当なのか。
受託PMの年収600万円は妥当か:案件規模・人数・残業で位置を確かめる
受託PMの年収600万円は妥当なのか。43歳で受託のPMをしている運営者が、300万〜5,000万円の4件の案件を表にして、案件の金額・関わる人の数・記録に出ない残業の3つから、自分の位置を確かめた記録です。
人数は「社内何名・協力会社何名」に分けて、自分の立ち位置を書く
人数も、合計だけだと中身が見えません。5,000万円の案件は10名でしたが、内訳は社内5名と協力会社5名です。
500万円の案件は、社内2人と顧客のエンジニア2人でした。顧客側の2人は開発経験が浅く、一緒に開発しながら引き継ぎをしています。「4名体制」と書くより、「社内2名+顧客側エンジニア2名(開発しながら引き継ぎ)」と書いたほうが、自分が何をしていたかが伝わります。
一人で全部やった案件もあります。顧客の対応も含めて自分だけで完結し、コントロールできるので、正直楽でした。
楽だった、とは経歴書には書きません。でも、人数の書き分けとしては大事なところです。一人の案件は顧客とのすり合わせから作るものまでを一人で持った経験で、社内外に分かれた案件は、頭の中にあることを人に伝えて動いてもらった経験です。
関わる人が増えるほど、調整に時間もコストもかかります。人数を分けて書くのは、その調整を自分が引き受けていたことを見せるためです。
協力会社や顧客との調整を、経歴書の成果として書く
調整の仕事は、いちばん書きにくいところだと思います。何かを作ったわけではないので。
5,000万円の案件では、提案の内容が実際のシステムや運用の要件と合っていないことが、事前調査の段階で分かりました。要件定義に落とすまでの顧客との調整と説明資料づくりに長い時間を使い、説明資料は社内・協力会社・顧客のレビューを通して10回を超えて作り直しています。
では、この5,000万円の案件と、社内2名の1,000万円の案件では、忙しさはどう違ったのか。
受託PMは年収を下げて残業を減らせるか:案件規模と忙しさの実例
受託PMは年収を下げて残業を減らせる?案件規模・人数・協力会社の割合から、年収600万円の1つの例をもとに、忙しさが変わる条件と見極め方を整理します。
これを経歴書に書くとき、「顧客との調整を担当」の一言では何も伝わりません。書くのは、何がずれていて、何を作って、どう決着したかです。
- 課題:提案内容と、実際のシステム・運用要件とのずれを事前調査で把握
- 対応:代替案と、提案のまま進めた場合のリスクをまとめた説明資料を作成(社内・協力会社・顧客のレビューを経て10回超改訂)
- 結果:顧客の合意を取り、その内容で要件定義を作成
実際には、顧客は最初「支払っている金額に対してどうなるの」とコストを気にしていて、合意もしぶしぶでした。経歴書では盛らずに「合意を取った」と書き、その中身は面接で聞かれたら話せば十分だと思います。
協力会社とレビューを回した、という一行も残しておきたいところです。自分が面接した側では、協力会社をまとめた経験のある応募者には、一人も会っていないので。
小〜中規模の案件を並べた職務経歴書の例と、書く前の確認
自分の4つの案件を、金額・期間・体制・担当で並べると、こうなります。(顧客名や案件の細かい中身は伏せています)
- 5,000万円/12か月/社内5名+協力会社5名/PM(要件定義〜テスト、3フェーズ)。提案と実際の要件のずれを調整し、説明資料を10回超改訂して顧客の合意を取り、要件定義を作成
- 1,000万円/8か月/社内2名/PM+設計・開発。リリース前に後輩への修正指示と、込み入った不具合の修正を担当
- 500万円/4か月ほど/社内2名+顧客側エンジニア2名/社内向けEMS。キックオフから2週間で要件定義を形にし、開発経験の浅い顧客側エンジニアと一緒に開発しながら引き継ぎ
- 300万円/3か月/社内2名/位置情報を使ったWebアプリ。設計・開発も担当し、別の案件と並行して進行
金額の順に並べていますが、PMの仕事として見せたいものは案件ごとに違います。5,000万円は調整、500万円は短い要件定義と引き継ぎ、1,000万円と300万円は設計・開発まで持った範囲です。
書く前に、次の4つを確かめてみてください。
- 金額の横に、自分の担当範囲(提案からか、要件定義からか)を書いたか
- 人数を、社内・協力会社・顧客側に分けたか
- 調整の仕事を「課題・対応・結果」で書いたか
- 一人で持った案件を、小さいからと消していないか
どれも、面接官として見ていた「自分から動ける人か」「実際に何をする人か」に、書類の段階で答えておくためのものです。
小さい案件は、削るより、自分の範囲を書き足す。
300万円や1,000万円の案件の欄で手が止まっていたら、金額の横に、自分が持った範囲を一行書くところから始めてみてください。書いたものが外からどう見えるかは、自分もまだ第三者に見てもらっていません。
書いた経歴をスカウト型のサービスに載せて、どんな声がかかるかで見られ方を確かめる方法もあります。応募するかどうかは、届いた中身を見てから決めれば大丈夫です。